外国人採用で最も代表的な在留資格のひとつが「技術・人文知識・国際業務」ですが、該当性や基準適合性の判断を誤ると、不許可となることがあります。 ここでは、入管庁公表事例をもとに、採用時に見落としやすい代表的な不許可パターンを整理します。
この記事でわかること
技人国ビザの申請で実際に不許可となった典型例を通じて、採用前に確認すべきポイントを実務目線で整理しています。
結論:技人国の不許可は「仕事内容・報酬・在留状況」の見落としで起こりやすいです
技術・人文知識・国際業務の審査では、単に「外国人を採用したい」「雇用契約書がある」というだけでは足りません。 実際には、仕事内容の専門性、学歴や専攻との関連性、日本人と同等以上の報酬、勤務先の実体、過去の在留状況などが総合的に確認されます。
代表的な不許可事例を知っておくことで、採用や申請準備の段階でリスクを見抜きやすくなります。
代表的な6つの不許可事例
以下は、技人国の申請で特に問題になりやすい典型パターンです。どれも実務上、採用前の確認でかなり防ぎやすい論点です。
実態のない事務所で申請
経済学部卒の外国人が、会計事務所での勤務として申請しましたが、所在地には実際には料理店しかなく、勤務先の実体が確認できませんでした。 その結果、「人文知識・国際業務」に該当する活動とは認められず、不許可となりました。
学歴と仕事内容が一致しない
教育学部卒の外国人が、弁当製造会社で工場作業員として申請しましたが、業務内容は単純作業中心であり、大学で学んだ知識を活かす職務とは認められませんでした。 そのため、「人文知識・国際業務」に該当しないとして不許可となりました。
報酬が日本人と同等でない
工学部卒の外国人が、IT企業でエンジニアとして月額13万5千円で契約していましたが、同時採用の日本人新卒社員は月額18万円でした。 このため、日本人と同等以上の報酬とは認められず、不許可となりました。
在留中の不適切なアルバイト
商学部卒の外国人が、商社での貿易業務に従事する申請を行いましたが、過去に留学中、1年以上にわたり月200時間以上のアルバイトを継続していたことが判明しました。 資格外活動の範囲を大きく超えていたため、在留状況が良好とは認められず、不許可となりました。
専攻と職務内容の不一致
ジュエリーデザイン専攻の専門学校卒業者が、IT企業で通訳・翻訳業務に従事する申請を行いましたが、専攻と職務内容に関連性が認められず、不許可となりました。
業務量不足と低報酬
通訳翻訳学科卒の専門学校生が、漆器製造会社で通訳・翻訳および塗装補助業務を行うとして申請しましたが、通訳翻訳業務の割合や実態が十分とは認められませんでした。 また、塗装補助は技人国の対象業務とはいい難く、さらに報酬も日本人新卒より低額であったため、不許可となりました。
不許可事例から学べること
これらの事例から見えてくるのは、技人国の不許可理由がある程度パターン化されているということです。
- 勤務先や事業所の実体が確認できない
- 仕事内容が単純作業に寄りすぎている
- 学歴・専攻と職務内容の関連性が弱い
- 報酬が日本人と同等以上になっていない
- 留学中の資格外活動違反など、過去の在留状況に問題がある
- 専門業務の業務量や職務内容の中身が不十分である
採用前に確認したい実務上のポイント
不許可リスクを下げるためには、採用や内定の段階で次の点を確認しておくことが重要です。
- 会社や事業所の実体を客観資料で示せるか
- 担当予定業務が技人国に該当する内容になっているか
- 単純作業が主たる業務になっていないか
- 本人の学歴・専攻・職歴と仕事内容に関連性があるか
- 給与水準が日本人従業員と同等以上になっているか
- 本人の留学中の出席状況・資格外活動・在留履歴に問題がないか
- 業務内容を説明する職務書や採用理由が整理できているか
技人国ビザの該当性・不許可リスクでお悩みの方へ
「この仕事内容で技人国が取れるか不安」「専攻との関連性をどう説明するべきか」「給与水準や職務内容に問題がないか確認したい」など、 採用前後の段階からご相談いただくことで、申請前の整理がしやすくなります。
