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行政書士とは?再検討

行政書士は何をする人か。何の専門家か。
この問いに対して、明快な説明や定義を聞く機会は意外と少ないのではないでしょうか。今回は改めて、行政書士とは何かを整理してみます。

広範なフィールド

行政書士は、他士業と比較して敷居の低い存在として「街の法律家」とよく呼ばれます。
たとえば弁護士には訴訟、司法書士とには登記、税理士には税務といった具合に、固有の独占業務がありますが、行政書士がこれらを業として取り扱うことはできません。

それでは行政書士は何ができるのか。何もできないのか。決してそうではありません。むしろ「他士業の独占業務以外であれば、ほぼ何でも取り扱える」と言っても過言ではなく、まさに“万津屋”のような存在です。

普段あまり意識されませんが、日本は法治国家です。赤信号で止まるのも道路交通法に従っているからであり、生活の至るところに法律が根ざしています。
そもそも訴訟やトラブルに発展しないための予防法務や契約書整備。登記に至る前の定款や相続。多岐にわたる行政手続や給付金。こうした日常の様々な法的場面が行政書士のフィールドです。この広範な領域で、依頼者の権利や理想をより良く実現する。これが行政書士の使命です。複雑な書類作成は、あくまでその工程や成果の一環に過ぎないのです。

得意分野

行政書士が取り扱える潜在的な業務は数千種類に及ぶといわれます。
その中でも、専門とされる行政書士が多い分野として次のようなものがあります。

  • 許認可
    事業者が建設業や飲食業などを始めるために必要な営業許可を取得できるように申請を行います。
  • 外国人ビザ・在留資格
    外国人が日本で働き、学び、家族と暮らし、永住するために必要な在留資格を取得できるように手続きを行います。
  • 補助金
    中小企業が設備投資や販路拡大の資金を確保するために補助金を活用できるように申請を行います。
  • 契約書・内容証明
    当事者が安全に取引を進め、トラブルを防ぐために契約書や内容証明を整えます。
  • 法人設立
    起業者が会社を立ち上げ、事業をスタートできるように法人設立手続きを行います。
  • 遺言・相続
    家族が円滑に財産を引き継ぐために必要な遺言や相続の準備を整えます。

申請取次行政書士とは

少子高齢化にあるという国策的にも、外国人本人の生活的にも、特に重要性が高く、専門性も高い分野が在留資格手続です。
この分野を専門に扱えるのが、行政書士の中でも更に法務大臣の認定を受けた申請取次行政書士です。

  • 行政書士登録後、更に試験と考査を修了しています。
  • 依頼者が、アクセス不便で人も混み合う出入国在留管理庁(入管)に出向く必要がなくなります。
  • 入管窓口やその後の行政との折衝も不要になります。
  • 企業や外国人本人のストレスを大きく軽減し、より付加価値の高いサービスを提供します。

他士業連携と横断的役割

確かに登記や訴訟、税務、社会保険の分野は行政書士にはできません。
ただし、それで終わるのではなく、依頼者の最初の相談窓口として、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士といった他士業各専門家と連携し得るのも行政書士ならではです。

行政書士はその横断的な視点や立場を利用し、複数の分野をまたいで調整・橋渡しをすることで、課題解決のトータルコーディネートやワンストップサービスを実現します。

サマリー

行政書士は、固有の独占業務をもつ他士業とは異なり、日常的な法務や行政手続のフィールドを担っています。
幾千に及ぶ潜在業務のもと、許認可、在留資格、補助金、法人設立、遺言・相続といった行政書士一人一人の専門性や個性があり、時に他士業と横断的に連携しながら課題解決へ導きます。

「街の法律家」として、専門家でありながら気軽に相談できる窓口となり、書類作成に留まらず法治国家の根底を支える存在——それが行政書士です。


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