厚生労働省が2025年8月に公表した2024年外国人雇用データでは、外国人労働者数が過去最多の182万6千人に到達しました。特に技能実習・特定技能が急増し、中小企業の人手不足を補う存在としてかかせない一方で、労基法違反率が深刻である等の課題も鮮明になっています。本記事では、制度の現状と今後の展望を解説します。
最新データが示す、日本の外国人雇用の現在地
厚生労働省は2025年8月、2024年「外国人雇用実態調査の概況」を公表しました。今回の発表により、日本の労働市場において外国人材の存在感がますます高まっていることが明確になっています。
日本で働く外国人労働者は182万6千人となり、前年から20万人以上増加し、過去最多を更新しました。在留資格別では「専門的・技術的分野」が最多ですが、注目すべきは技能実習(約37万人)と特定技能(約20万人)の大幅な増加です。これら2つの在留資格が全体の増加を強く牽引している状況が確認されています。
中小企業こそ、外国人材受入れの中心に
企業規模別のデータをみると、外国人材の受入れは中小企業が大半を占めています。従業員5~29人規模で約35万人、30~99人規模で約30万人とされ、99人以下の企業だけで外国人労働者の約半数に達しています。
地方や中小企業では、すでに「外国人材がいないと現場が回らない」という状況が広く現実になっており、外国人労働者が重要な戦力として定着していることが数字からも読み取れます。
国籍構成はベトナムが最多。依存構造の一面も
国籍別ではベトナムが最も多く、中国、ネパールなどが続いています。特に技能実習や特定技能ではベトナム人材の割合が高く、日本の受入れ構造が一定の国籍に偏りやすい傾向が見られます。
企業が外国人材を雇用する理由については、「人手不足への対応」や「日本人以上の活躍を期待」といった項目が大半を占めており、深刻な労働力不足の現場ニーズがその背景にあることが示されています。
避けて通れない課題──労基法違反率「7割超」
今回のデータでは、受入れが進む一方で、技能実習・特定技能に関わる事業場における労働基準法違反率が7割超という厳しい状況も明らかになりました。
主な違反内容は、賃金不払い、割増賃金の不払い(1,774事業場)、長時間労働など、基本的な労務管理にかかわるものが中心です。監督指導を受けた事業場の多数で違反が確認されており、制度の運用・管理体制が追いついていない現実が浮かび上がっています。
制度は大きく転換へ。2027年4月に「育成就労制度」が開始予定
こうした課題や国際的な人材獲得競争の激化を踏まえ、政府は現行の技能実習制度を廃止し、2027年4月から「育成就労制度」へ移行する方針を示しました。
従来の「発展途上国への技能移転(による国際貢献)」だけでなく、「我が国の特定分野における人材確保」に国策的な焦点が更に置かれるようになったのです。
新制度では、技能実習生に対する人権侵害や法違反の温床として問題視されてきた転籍制限の緩和などが盛り込まれます。これを前提に「人材育成」と「人手確保」を両立する制度として生まれ変わっていくです。外国人労働者の人権保護や労働環境の整備が一層重視される方向性が示されています。
外国人を雇用される企業様におかれましても、育成就労がスタートする2027年度までに、外国人労働環境の改善や見直しが急務となっております。
VSTは「入管 × 労務管理」の両面から企業をサポート
Visa Station Tokyoでは、特定技能・技術・人文知識・国際業務などの在留資格手続きを中心に、外国人雇用に関する最新制度への対応や企業の受入れ体制整備をサポートしております。
運営者は行政書士であると同時に、社会保険労務士としても活動しているため、入管手続と労務管理の両面から立体的に支援できる点が大きな強みです。在留資格の整備だけでなく、労基法違反を避けるための労務管理、就業ルールの設計、体制構築まで一貫してサポート可能です。
制度が大きく変わりゆく今こそ、外国人材が安心して働ける環境づくりが企業の成長に直結します。具体的なご相談や制度移行への準備について、どうぞお気軽にお問い合わせください。


